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【佐渡×東京】「ハイパークオリティとローカルクオリティ」

更新日:2022年9月24日

【佐渡×東京】ネイバーフッドサロン


第2回のサロンでは、ネイバーフッドエコノミーという枠組みにおける、 サービスクオリティの変化について議論をしました。


WEBで情報がグローバル化し、物流網が高度に発達した現代では、 モノ・コトといったサービスのクオリティは、中途半端なものが存在しがたく、 世界全体において競争を勝ち抜く、最も効率的で機能的価値の高い「ハイパークオリ ティ」と、愛着や地域性に紐づいた意味的な価値が強い「ローカルクオリティ」と二極化が進む、と言われてきました。


しかしながら、これはサービスの供給者と購入者が固定されて動かない、 コンシューマーエコノミーに基づく価値を前提とした議論です。 第1回で議論した、循環型ネイバーフッドエコノミーを前提とすると、 サービスを生み出す世界トップクラスのタレント・クリエイティビティ自体が、 自分が最も力を発揮できる「ローカル」を選び、集い、連帯しており、 技術的なサポートも相まって、そのサービスを生み出す手段として、 資本や既存の物流網が活用できるという構造の転換が起こっています。 つまり、世界で最も価値の豊かなサービスは、「ローカル」にあるということです。


第2回のサロンも、ゲストは2名。佐渡交流観光機構にインターンとして在籍する、 ナタリー・ホンメルさんに、佐渡の芸能と食を中心に、ローカルクオリティについてご紹介いただきました。 また、竹沢徳剛さんは、巣鴨・大塚で「RYOZAN PARK」という、世界トップクラスの シェアハウス・オフィスを展開しています。この根本にある思想、取り組み・実績についてお伺いしました。



佐渡観光交流機構・ナタリーさん

ナタリーさんの故郷ベルリンは、3分の1が自然です。

大学では、日本語・東アジア学を中心に、漢字学を筆頭としたを学ばれていたそうです。卒業後ワーキングホリデーを通じて来日しました。佐渡に興味がないかと誘われた当初は、、佐渡島があることを知らなかったそうです。


  • ナタリーさんの佐渡の好きなこと=価値があると思うこと 


①歴史がある 

②自然の豊かさ 

③文化が日常生活と繋がっている


佐渡は、それら全てのつながりがはっきりと見えるとおっしゃいます。佐渡ではかつては砂金が取れ、佐渡の財政を支えました。その結果、たくさんの人が佐渡へ来て爆発的に人口が増え、暮らしを支えるために佐渡は発展していきました。その一つは国仲平野の田んぼです。国仲平野では、現在でも環境に配慮した、自然と共存する農業が行われています。そしてこの国仲平野は、佐渡の美しい風景、文化、そして豊かな生態系を支えています。トキや鬼(祭り)、カキの養殖、酒造り、すべてはこの国仲平野の田んぼから生まれているのです。


  • ベルリンと佐渡での暮らし

ナタリーさんの故郷ベルリンは、川が多いですが基本的には平野だそうです。また都市ならではの時間の流れの速さがあると言います。

対して佐渡は、湖、海、山といった豊かな自然がそろっていて、ナタリーさんの家から一歩出てすぐ海と山を望むことが出来るそうです。また、時間の流れがゆっくりで、田んぼ、畑、漁業といった自然に合わせた生活が営まれています。


こうした自然とのつながりの中で営まれる暮らしこそ、佐渡のローカルクオリティなのかもしれません。



RYOZAN PARK・竹澤さん

竹澤さんは、ご自身の取組を「巣鴨大塚近辺の村づくり」だと言います。



現在、竹澤さんのシェアハウスには、41人が住んでおり、入居条件は「面白い」ことでキャラの濃い方々が集まっているそうです。田舎から来た人たちは、シェアハウスの5階に住む竹澤さんのご両親を東京の母として慕い、シェアハウス発の結婚はなんと20組も誕生していると言います。その理由は、シェアハウスの中にスコットランドの農家の家をイメージした日本一仕事のできないシェアオフィスやインターナショナル託児所、たくさんのイベントを設け、街の人たちとの関係作りが積極的に行われているからです。シェアハウス外にも、絵の展示、占い、お茶をたてることのできる茶室などをつくり、地域や街に開かれた場所作りをされています。



そんな竹澤さんの想いは、行き過ぎた資本主義の中でもう一回コミュニティを再建しようという所にあります。このために必要なのが「寛容性」だと竹澤さんは仰ります。全然違う価値観を持つ人に対して面白がれるか? 例えば、全然違う価値観を持つ若者に「何それおもしろいやん、やりなよ!」と言える長老がいる村が生き残っていくのです。こうした「寛容性」を持った人たちのコミュニティの中でこそ、自分らしさが発揮され豊かさが生み出されていきます。


今は、そんなコミュニティづくりの実験の最中だそうです。










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